陸軍少年飛行兵史という本をご存じですか。
私は全く知りませんでした。
実父は太平洋戦争では陸軍に従軍し、大陸や南方、そしてあの3月10日の東京大空襲の時には、深川八幡の近くにいました。
深川八幡ということは東京大空襲のどまんなか、というわけです。
父はその時は計算手という任務で、刻々と動くB-29の高度と速度から、未来の到達予想場所を計算して高射砲の仰角と砲弾を炸裂させる高度をはじき出し、伝えるという役割だったそうです。
空軍という組織を持たなかった旧日本軍は、陸軍と海軍にそれぞれ航空隊を持っていました。
さきごろご入居されたお客様とお話をしていると、その方は陸軍少年飛行兵へ志願して弱冠15歳で兵学校へ入ったんだそうです。
そして「陸軍少年飛行兵史という本があるが、ご覧になりますか？」と聞かれ、それはもう願ってもない、そんな貴重な書物をお貸しいただけるのであれば大切に読ませていただきますと、二つ返事でお借りしてきました。
陸軍少年飛行兵（りくぐんしょうねんひこうへい）とは、日本陸軍の航空兵科現役下士官となるため、10代の男子志願者から選抜されて陸軍の航空関係諸学校で教育を受ける者。1933年（昭和8年）4月に制度の原点となる陸軍飛行学校生徒が定められ、1940年（昭和15年）4月より正式に「少年飛行兵」の名称となり太平洋戦争（大東亜戦争）終結まで存在した。少飛と略称される場合がある。引用／Wikipedia
開いてみると、様々な航空機の挿絵と写真が目を惹きます。
そして目次
云わば、当時の小飛兵の皆さんが集まって、編纂した記録史ですね。
一期生から全ての名簿も収められています。お借りした方のお名前も当然あります。
ただ、終戦間際でしたのでもうきちんと飛ぶことの出来る練習機も少なかったということです。
でももし2年ほど早く生まれていたら特別攻撃隊で出陣していたことでしょう。
そう思えば不思議な事です。絶対にお会いできなかったわけですから。
そして多くの戦没者も当然いらしたわけで、その名簿も集めてあります。
陳腐な表現ですが、この累々たる戦没者の名簿に記載された方々には、それぞれの人生がありそれぞれの家族があり、そして恋人もいたはずです。
今の日本はこの方々に頭（こうべ）を垂れる姿勢を忘れていないでしょうか。
太平洋戦争のことをきちんと伝えて下さる年齢の方が、どんどん鬼籍にお入りになっていきます。
誰だって戦争などしたいわけがありません。そしてどんな理由であれ、戦争が正当化されるわけはありません。
ABCDラインで経済封鎖をされた日本。国民を食わしていくには、国力を維持するには、そして西洋の列強に世界を支配されることを打ち破るには・・・日本は戦争への道を選ぶしかすべがなかった。
植民地化された南方の国々を開放したのは、日本の敗戦によるものだったということは歴史が証明しています。
おやじがいつか言ってました。
「戦争がいいとか悪いとかやかましいけれど、昨日まで一緒に飯を食って笑って話していた奴が、突然の急襲で地下壕に入る暇もなくグラマンの掃射を受けて頭半分ふっとばされて、痙攣しているような死に方を見た時には、誰だってそのグラマンを撃ち落としたくなる。人間っていうのはそういうものだ。戦争ってのはそういうものだ。それを知らないヤツらに戦争がいいとか悪いとか言ってほしくない」って。
平和な世界の実現の為に僕らが出来ることは何でしょう。
基地を作らないこと、戦争を単に放棄するだけで愛する人を守れるのか。
かといってミサイルや銃弾で平和が創れるのか。
僕にはわからない。 また明日
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