今日は秋分の日。
咲くや少々強い通り雨が有りましたが、今日は朝から抜けるような青空。
珍しく公休日が祭日に重なりました。
すぐにでも出かけたいのは山々ですが、我慢できないほど伸びてしまった髪を切りに行かなくてはいけないので午前中はなんとなく終わりつつ有ります。
「天気いいからさ、メルセデスの屋根開けて出かけよう。どこがいい?」と私。
「う~ん。。。あの奥多摩の蕎麦屋さんがいいなぁ」と家人の返答。
いいですね、この提案に何の不具合があるものか。抜けるような青空、お彼岸、蕎麦、そして秋の山里。今行かなくっていつ行くの?って感じです。
アチラコチラに彼岸花が今が盛りと咲いています。私が子供の頃には畑や田んぼの畦に並んで群生していたように記憶していますが、子供の頃走り回った田んぼも今は高層のマンションが立ち並んでいます。
それでもこの辺りは其処此処に真っ赤な幻想的な花の群れが咲いています。
走ること数十分多摩川を遡り、屋根を下ろしたお陰で陽射しは真上から照りつけるものの、SLKの巻き起こす風は間違いなく山の空気を感じさせてくれます。
ゆるやかにアップ・ダウンする吉野街道。
信号が殆ど無いことに加え、コンベンショナルなSLKのATはギヤ比も適切で使いやすい。
稀に前車との距離が大きく空いた時に、オルガンタイプのアクセルペダルを踏み込むと、加給された4発のエンジンは多大なトルクを冷静なまま与えてくれます。
156との違いはまさにココ。アルファのV6は回転を上げてトルクを引き出すのが気持ち良いんですが、メルセデスの4発は回転数の上がり方よりもトルクの湧き上がりが強く、そしてその強大なトルクをいとも簡単に導き出しているかのように冷静なまま浮遊感を伴って突き進みます。
安楽なサンデードライブのような地方道を、後輪駆動らしさを感じながら進むと古里(こり)の手前に立派な看板を掲げた蕎麦処「丹三郎」に到着しました。
祭日であるということで出かける前から混雑は予想はしていましたが、特に今日は団体の予約が在ったということで満席の立て札が。
取り敢えず車を停め、家人がお店に聞きに行くと1時間ほどは待つことになるとのこと。
まぁだからといってすぐ別な店に変更できるほどこの辺りには店があるわけでもなし。
それにもう「丹三郎で蕎麦を食べる」という気持ちが膨らんで、今更別な店に行きたくありませんしましてや別なものを食べたいと思えるわけがありません。
「いいんじゃない、別に急ぐわけでもないし。暫くきれいな景色でも見ながら時間を潰せばいいよ」と答えました。
長屋門っていいですよね。土壁や時代の染み付いた太い柱も周囲の景色と調和して、この辺り一帯が静かな空気に包まれているようです。
暫しぶらぶらして、しまいにはトランクからフクピカなどを取り出して昨夜降った雨で汚れたボディを綺麗に拭ったりして。
そんなこんなで呼ばれました。注文はいつもと同じ天ざるセット。
なんと今日は特別に地取りの舞茸の天ぷらもあるとのことじゃァありませんか。これは頼まないわけには行きません。
一緒に持ってきてくれた抹茶塩との、またなんと絶妙なコンビネーション。上手いのなんのというよりも「秋を食す」という風情。でも蕎麦と一緒にも食べたいので蕎麦が運ばれるまで少々我慢。
最初に運ばれてくるのは蕎麦掻き。小ぶりの抹茶茶碗ぐらいの大きさの碗に盛り付けてあります。
蕎麦粉と山芋とを合わせた、ややもっちりした蕎麦掻き。
前回訪ねた時にはツユの塩味が少々強いと感じたのですが、今日のそれは丁度いい。
きっと出汁の味付けを変えたのでしょう。この方がよっぽど楽しめる味わいになりました。
「もう少し山芋が少なくてもいいかもね」と私
「え?食感はしっかりしているけれどフワフワしていて美味しいじゃない」と家人
「いや、蕎麦の香りがもう少し感じられるくらいの方が私は好きだ。それならもっとザラザラしていても、蕎麦掻きならそれでもいいとさえ思う」と私
いやはやなんとも、静かにしていられない悪い癖。きっと次に来るときには山芋が控えめになっているに違いありません。。。かな?
で、いよいよ蕎麦とそして天ぷら盛り合わせがやってきます。
天ぷらはすべて胡麻油で揚げています。先ほどの舞茸もそうですがこの胡麻油と蕎麦がなんともいえぬ旨さを演出してくれます。滋味というものはこういうものかとさえ思うほど。
ここの特徴は小鮎が付いていること。さすがは奥多摩漁協のお膝元、抜かりはありませんねぇ。
鮎はほろ苦くて、これまた地元の食材を味わうというプチ贅沢気分。
甘味は蕎麦団子の善哉。ちょっと重かったかなぁ・・・でも白玉とは違って蕎麦団子と小豆は良い取り合わせ。素朴な味わいです。
因みに家人は蕎麦団子。これも美味しそう。
私達と次の若い女性お二人でオーダーストップ。蕎麦の仕込みが切れてしまったそうです。
さてまた屋根を開けてもう少し西に向かってみましょう。
山の上の方は少し木々の色が変わってきてることでしょうから。
『・・・お彼岸か。彼岸の向こう側は涅槃だよね。煩悩から解き放たれて涅槃の悟りを開くにはもう少し時間が掛かるかもね』
白いSLKは煩悩で溢れる私の想いを乗せて、秋の入口を感じさせる奥多摩の道に躍り出ていきます。
ま、いいさ。生きてるってことは悩むこと。物欲も食欲もどんと来い! また明日(^.^)/~~~
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