記念日というものは一人ひとりそれぞれ異なった「特別な」日のことでしょう。
例えば銀婚式。結婚後25年を迎えた記念の日。
いえ、勿体ぶっているわけではないのですが今夜もまた自転車（の部品）の話。
リヤ・ディレイラーです。
メーカーはユレ－（Huret）といい、フランスの1920年に創業した伝統のある（あった）パーツメーカー。
1970年に50週年を記念して世に送り出した宝石のように美しいパーツ。
実際に組み付けるとこのような姿を呈します。
ユレ－もスライド式、ヘリコイド式、カム式などの変速機を作ってきましたが、70年台にはカンパニョーロの台頭を受け、パンタグラフ形式の変速機へと移行してきました。
このショートゲージのタイプは、本来はレーシングユースを目的としていたんですが、日本ではその繊細な姿からスポルティフやギヤ比のそれほどワイドではないランドナー（旅行車）に好んで用いられました。
現在手許にストックしてあるのはリヤのみでフロントはありませんが、フロント・ディレイラーも優雅な姿です。
20代の頃初めてオーダーしたスポルティフには絶対にこれを装着したくて、前後セットで使っていました。
お使いになったご経験のある方にはお分かりかと思いますが、訳あってフロントは別なものへと交換してしまいました。
商品名は"jubilee"といいます。ジュビリーとはフランス語で「記念日」を意味します。
創業50周年を記念して命名されたその名前こそ、特別な記念日だったのでしょう。
45年ほど前の部品ですが、美しくて軽量で高性能で「特別な」逸品。
もし再びこれを組み付ける日が来るのであれば、それはきっと私にとって「特別な記念日」になる時でしょう。
Huret Jubileeと言う名前は、私にとっても忘れられない名前です。 また明日(^_^)/~~~
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