これはクラシックカメラ、と呼んでいいのでしょうね。
車はイタリアやフランスものにゾッコンなくせに、カメラはなぜか子供の時からドイツに憧れてました。
きっかけはもう忘れましたが、父親が若い頃に憧れたのがドイツ製のカメラだったと聞かされたからかもしれません。
その父親は私が小学校入学の頃にはタク上がりの日野コンテッサ900を買い、その後やはりタク上がりの1300を買ったのですが。
私が小学校に入学する時の記念写真は玄関前でランドセルを背負い、オリーブグリーンメタリックのコンテッサ900とともに写っています。
小学校4年の頃、900は1300へと入れ替わりました。そしてコンテッサとは貴婦人という意味であることもその頃父親から教わりました。
ただ残念ながらそれがイタリア語であることは教えてくれませんでしたが(^O^)
おそらく子供の頃の私は「スペック厨」だったに違いありません。例えばこのContessa35は「ドレーカイルプリズム式連動距離計」という機構が用いられています。
これはイコンタシリーズ、コンタックスなどのツァイス・イコン社の主要なカメラにも用いられていて、その外観の大きな特徴になっています。
カメラに詳しいかたならご存知でしょうが、この説明は難しいです。
2枚の楔形のプリズムを逆方向に回転させて、ファインダー内で二重像を合致させて撮影者にはピントが合ったことを知らせるとともに被写体までの距離を測れる装置です。
この個体のファインダーはとても明るいのが幸いです。
もっともドレーカイル式のみならず、ペンタプリズムを使う一眼レフに比べてレンジファインダーのカメラはファインダーの明るさが取り得です。
それでもこの個体のそれはとても見やすく老眼に悩む私には有り難い。
そしてもう一つ。このカメラの先進性を示す機構はセレン光電池の単独指針露出計です。
左側は日中での測光で、右側はシャッターを上げてセレン素子に光を多く取り込むため光量の少ない時の測光。けれどメーターの振れは残念なながら正しく機能していません。
まぁ無理もありません、60年前の機械ですものね。ただ、セレン素子ではない発電素子へ交換することで(抵抗などで電圧の補正は必要でしょうが)この機能を復活させることは不可能ではありません。
この手の修理では日本は職人さんの宝庫です。いや一部エキセントリックな、いやコアなマニアの方が手製の工具と半田ごてで修理をしてるのも驚異的です。
ただ私はセレン光電子ではなく、自分の目で感じた光を判断して絞りとシャッター速度を決める、という撮影を体得したいと思います。
以前若いころトプコンホースマンという躯体にセイコーのレンズシャッターで、120ブローニーや4×5のカットフィルムをそれこそ数千枚撮影していました。
古美術商の番頭時代のことです。店の在庫品、いわば商品ですね。
李朝白磁の長頸壺や桃山駅時代の洛中洛外図屏風、明時代の芦鴨図、元時代の漆器などなど地下の応接間を撮影室にして3日も4日もカンヅメで撮り続けたりしてました。
そのうち「古美術店の番頭が中々うまい写真を撮る」などという噂が広がって、東京大学の米沢嘉圃先生、当時は国華社のメンバーでした、から写真撮影の依頼なども来て恐れ多くも東京大学に顔パスで先生のご専門だった中国絵画の撮影などにもおじゃまするようになりました。
83年、84年頃の国華(ギネスに認定された世界最古の美術雑誌)には私が撮影した写真が使われたことも自分としては誇らしい過去ではあります。
店の地下は照明を消せば真の闇、タングステン級を三脚にクリップして入射露出計でライティングを決めて絞りやシャッター速度を決めるのですが、そのうち露出計を使わずとも被写体の素材の違いや大きさなどで撮影ができるようにまでなりました。
第一、そうしないと膨大な量の道具(古美術品のことをそう呼びます)の撮影がいつまでたっても終わりませんしね。
ですからこのContessaにしても使い込んで、それこそ気が済むまで撮影すればセレン光電子に頼らない撮影ができることと確信してます。
53年製のツァイスはOpton Tessar、83年製のRTSと137MA、そのレンズはもちろんツァイス
そしてその30年後私の手元にやってきた2013年製のソニーRX1R。こちらはSonnar35/f2
太陽のように明るいレンズ。それがSonnar命名の理由だと聞いてきました。
確かにこのフルサイズC-Mosを持つ異端なコンデジは素晴らしい。でも、それでも私は銀塩に心惹かれる。
明日はContessa35を持ちだして撮影をする予定。地元の名刹を訪ねカラーリバーサルで露出の確認を行う武者修行といったところです。
ラチチュードの狭いカラーリバーサルだからこその真剣勝負。いざ! また明日(^_^)/~~~
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